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日本橋散策 VOL.02/フラワー&プラントショップ編
日本橋散策 VOL.02/フラワー&プラントショップ編

2025.03.28

日本橋散策 VOL.02/フラワー&プラントショップ編

fête/TOUCA/THE GREEN SHOP TOKYO/MOTH

都市に生命の息吹を。
心癒す植物の存在感

兜町を起点に、足を伸ばしてさまざまな場所へ。平坦で歩きやすく景観にも飽きがこないため、周辺を散策しやすいのが日本橋エリアの強みのひとつだ。メディアで話題の店舗をお目当てに、はたまた知る人ぞ知る自分だけの隠れ家を見つけに……楽しく歩いて訪れれば、街も人も空気も、自分ともっと身近な存在になるはず。

VOL.2でお届けするのは、生活に彩りとうるおいを与えてくれるフラワー&プラントショップ。都会的なライフスタイルにぴったりの高いデザイン性を有する、注目の4店をピックアップした。


fête(兜町)

絵画のように組み立てられる、多彩な質感の花々

兜町のイベントで装花を担当することも多い「fête」は、街の中心に位置する複合施設「BANK」の地下にある。フラワーショップとしてはめずらしい自然光の入らない空間で、高い天井からドライフラワーのスワッグを所狭しと吊るした、ドラマティックな店構えが印象的だ。生花はもちろん、店内の機械で自作している多種多様のドライフラワーやポプリ、アロマディフューザー、カラフルな花瓶など、ちょっとしたギフトにもセレクトしやすいラインナップが揃う。

ディレクターの細川さんはこの場をアトリエとしても活用し、ドライフラワーとアロマを組み合わせたオリジナルプロダクトをつくるワークショップも不定期で実施しているという。また、フラワーショップにしてはめずらしく、お客に特定のスタッフがつく担当制を採用。「各々の持ち味が活かせるよう、美容師さんのような感覚で、お客さんの好みを理解した提案ができていると感じます」

fête
東京都中央区日本橋兜町6-7 兜町第7平和ビルB1F
Instagram


TOUCA(茅場町)

凛としたモダンなエッセンスで街を彩る

平成通りから茅場町駅方面へ道を入ってすぐのところにあるのが、開業から1周年を迎えたばかりの「TOUCA」。オーナーの齋藤さんはフランスでフラワーアーティストとしての経験を積み、自身の店をオープンさせた。「日本橋や銀座近辺で場所を探していたらこの場所に突然めぐりあい、『ここだ!』と即決しました。フランスでは花屋を含め、八百屋や魚屋も個人店の個性が強くて、とにかく店主が好きなものを置いている傾向が強いんです。そんなスタンスを見習い、私自身が本当に好きだと感じるものを仕入れて、街を豊かに彩れるようなお店になれたらと考えています」

お客には近隣のオフィスで働く人々も。「平日の昼間のみオープンしているのですが、みなさんがふらっと寄ってくれるのが本当にうれしいんです。普段はお花に興味のなさそうなスーツの紳士が、ショーウィンドウをじっと見つめていることも。お花の初心者でも、ぜひ気軽に入ってほしいなと思います」。現代アートを思わせるシックでスタイリッシュな花々は言わずもがな、齋藤さんが自ら型を製作して発注しているオリジナルの花器も見逃せない。

TOUCA
東京都中央区日本橋茅場町1-6-3 KTビル1F
Instagram


THE GREEN SHOP TOKYO(東日本橋)

最適な土もデザインも。頼れるグリーンの主治医

室内装飾としてのグリーンに興味があるなら、兜町から東側の隅田川沿いに店を構える「THE GREEN SHOP TOKYO」にもぜひ訪問を。オーガニックで栄養豊富な土づくりの事業を起点に、大手雑貨店やインテリアショップへ植物の卸しをおこなうようになったという、インテリアグリーンのエキスパートだ。創業者の中村さんによると、お客には近隣に住むリピーターも多いとか。「育成環境についてのアドバイスや、大きく育ったときの植え替えも引き受けているので、おうちの植物の“かかりつけ医”のような感覚で訪れてもらえていると感じます」

千葉県印西市に自社温室を保有しているといい、育成不良で弱ってしまった植物を元気になるまで預かってくれるサービスや、LINEでの個別相談も。「部屋の間取りや写真、お好みの雰囲気を送ってもらい、広さや日当たりの具合、ライフスタイルといった条件から相性のよいプラントをおすすめすることもできますよ」。この3月には、一軒家のガーデンづくりと管理に特化した中目黒店もオープン。

THE GREEN SHOP TOKYO
東京都中央区東日本橋2-25-4 オゼキビル1F
Instagram


MOTH(兜町)

都市空間に命を宿す、植栽の発信拠点

アートイベントや展示会などが開催され、兜町の中でも新陳代謝が活発になされている小規模複合施設の「Keshiki」にも、アポイントを入れてプラントの相談に行ける「MOTH」が。ここは山梨県で造園業を主体に展開し、兜町の「K5」をはじめ数多くの施設の空間プロデュースを手がけてきた「Yardworks」による、アトリエ兼オフィスだ。ランチタイムにベトナムフォーとチェーを提供する「Just Pho You」の手前のスペースに、大型の寄せ植えから小さな卓上鉢、オリジナルの雑貨までが並ぶ。

一見レストランの植栽に見える鉢も実はアトリエのディスプレイであるものが多いため、実際に生活空間へ飾ったときの印象をイメージしやすい。「造園業をもともとの生業にしているので、鉢の中にも庭の世界観が表現されているのが特徴です」と、スタッフの笠原さん。「パーソナルな植栽相談のほか、例えば新店がオープンする機会にお花やギフトを個別に贈るのではなく、複数人からお祝い金を集めてYardworksの空間デザインをギフトにする……といったような一括手配サービスも受付可能です」

MOTH
東京都中央区日本橋兜町6-5 兜町第6平和ビル1F Keshiki内
Instagram


Interview & Text : Misaki Yamashita

Photo : Naoto Date