第1回目となる本イベントは、大阪市福島区に不定期にオープンする、アンティークや古道具を主として扱うEssential Storeのオーナー田上拓哉氏(※1)と、江戸期から昭和初期の「図案にまつわる物」を展示する大阪市浪速区の”日本図案館“のオーナー山田真也氏(※2)によって、2024年に発足した日本文化遺産の保全活動を主眼として文化の継承と発展を研究し発表する「文化海」を招致し、選りすぐりの逸品を街の各所に展示します。
また、メイン会場である景色 AA(中央区日本橋兜町6-5)では、Essential Storeの期間限定ショップをOPENし、即売会の開催も予定しております。
2015年から2024年の10年間の蒐集品とともに、出会いからつながる時間を超えた共有を、ここ日本橋兜町で体感ください。
※1 田上拓哉 – Essential Store
大阪市福島区のEssential Storeオーナー。アパレル / 繊維メーカーも運営しながらアンティーク、古道具を主として取り扱うEssential Storeを不定期にて開催。独自の入札方法で行われる「Essential Silent Auction ®」は、モノの価値を再考する仕組みとして確立している。近年は空間デザイン、プロダクションデザインの領域でもその確かな審美眼を発揮している。
※2 山田真也 – 日本図案館 / Zuan Museum
大阪市浪速区の日本図案館オーナー。明治期の図案革新文化から生まれた木版画の図案集を中心に、江戸期から昭和初期の「図案にまつわる物」を展示し、日本で発展した様々な文化において表現された美的感覚、抽象感覚、色彩感覚等を、「実物を観る」という行為から得られる実感と体験を通して共有する資料館として注目を集めている。
2020年2月に開業したマイクロ複合施設「K5」を皮切りに、個性豊かな店舗や施設の開業が続く日本橋兜町。そんな日本橋兜町を舞台に開催される「Kabutocho Art Week」では、街を一つのアートギャラリーと見立て、街の各所にアート作品を展示。展示する作品は、Essential Storeや日本図案館の所蔵品、1970年代以降世界的に起こった繊維を素材とした立体造形・ファイバーアート(※3)の日本の第一人者である草間喆雄氏や熊井恭子氏の作品など、ここでしか見られない希少な作品ばかりです。
会場に展示されるアートは、Essential Silent Auction®による入札形式で販売をいたします。現場で競り合う一般的なオークションとは異なり、あくまでも個人の価値感に重点を置いた“競り合わないオークション”。開催期間中は好きな価格を自分で決め入札用紙に記入し入札することができ、入札期間終了後、連絡が届いた人が購入できるというシステムであり、「モノの価値を再考する場所」と言われています。
K5を始め、街に多数残る歴史的な建造物に新たな価値を創ってきたこの日本橋兜町で、従来の大型アートイベントとは異なる新しいアートエキシビジョンイベントをお楽しみください。
※3 ファイバーアート
ファイバーアートの起源は1950年代末から1960年代初頭に遡る。アメリカやヨーロッパの織り作家やタペストリー作家が2次元的な織りや編みの表面の3次元化を試み、次第に他ジャンルのファブリックアーティストや工芸家も参画するようになっていく。表現の限界を探求し、実験的でありながらも創造性に富んだ作品が次々と発表されていった。欧米のファイバーアートに大きな影響を与えたとされるアジア地域のテキスタイル- 特に日本固有の染色、織物、文様などが取り入れられる一方で、日本人アーティストたちは伝統を重んじながらも自らの表現方法や技法をより追求することで新たな地平を切り開いていくようになる。モニュメンタルな空間構成などにも表現領域を広げ、日本現代美術の中でも重要な位置を占めていたムーブメントである。
文化の海への轍をたどる。その先へ。
わたしたちが生きる地球には、それぞれの地域に根付いたさまざまな文化が存在します。それらは、はるか太古より人間の営みに直結し、肉体的・精神的な交流の拠り所として、発展と衰退を繰り返してきました。
それぞれの文化によって育まれた精神は、モノに宿され、生き続けます。しかし、大切に保護される一握りの文化財の影で、多くの品々が歴史の波間にひっそりと取り残され、そこに込められた精神や文化とともに忘れ去られつつあります。
古物に触れるときの大きな喜び──それは《忘れ去られたモノ》と目を合わせる瞬間にあります。昔から存在してきたモノを、未知のオブジェクトとして再発見するとき、不思議な懐かしさが感じられます。それは、モノに宿るなにかと、自らの内に秘めた「祈り」ともいうべきものとの間に起こる、時間を超えた共鳴ともいえるでしょう。
モノとは、そのような「祈り」を呼び覚ます、精神や文化の断片です。そして、その断片たちが一堂に会する展示会場は、異なる精神と文化の調和を作り出すためのフラスコなのです。
文化海では、わたしたちの手元に集まったモノを文化遺産として保全し、出版物やデジタルライブラリー、そして展覧会「海域」を通じて、より多くの方々に共有していきます。かつて存在した文化の実体を浮き彫りにするとともに、それらの継承・発展について、異なる角度からみなさまと共に考える機会を創出することが目的です。
今回の「海域1」では、江戸期から昭和期までの日本文化から生まれたモノを中心にご紹介します。この海域に集められたモノが、みなさまの中の「祈り」を浮かび上がらせるきっかけとなれば嬉しく存じます。
・現地にて記入入札方式
景色/AA、株式会社白水社 B1Fにて入札紙をお受け取り頂き、記入後、景色/AAにてスタッフにお渡しください。
入札形式のみのオークションです。競りは行なわず、入札された方の中で、最高額をつけた方が落札者となり、その最高額をつけた落札者の方のみに、品物落札の旨をご連絡させていただきます。(すべての入札者に対する落札/不落札のご連絡は致しませんのであらかじめご了承ください)
期間:2025年1月17日(金)〜1月26日(日)
時間:12:00〜20:00
場所:景色/AA
・展示会場/営業時間
景色 AA(中央区日本橋兜町6-5)★メイン会場/12:00-20:00
KABUTO ONE 1Fアトリウム(中央区日本橋兜町7-1)/12:00-20:00
株式会社白水社 B1F(中央区日本橋兜町5-1)/平日12:00-17:00、土日12:00-18:00
日証館 1Fエントランス(中央区日本橋兜町1-10)/12:00-19:00
Kabutocho Art Week Cultural Waves 文化海 -海域 1-
主催:平和不動産株式会社、メディアサーフコミュニケーションズ株式会社
企画:文化海、Essential Store、Somewhere in Tokyo
会場協力:株式会社白水社、山種不動産株式会社、ちばぎん証券株式会社
協力:日本音響株式会社、株式会社増田徳兵衛商店、堀田カーペット株式会社